『栄養バランスの良い食事を心がけてください。』
この言葉はいろいろなところで耳にしますよね。
私も今までのブログで『バランスのよい食事を』と言ったりしてきました。
そして、おそらくほとんどの人が何度も意識したことでしょう。
それにも関わらず、実践できている人は少ないです。
その理由としては、まずバランスのいい食事って何か漠然とし過ぎてわからなかったり
現代人の食生活は栄養バランスが乱れやすい環境にあることが関係しています。
栄養バランスのいい食事とは健康に必要な成分をしっかり摂取するだけでなく、過剰摂取を防ぐ意味も含まれています。
現代日本では、食べることに事欠いて栄養全般が不足してしまうような状況ではありません。
問題なのは食べすぎ、偏った食生活によるバランスの乱れにあります。
とくに「もっと栄養バランスのいい食事にしないと」と意識している人ほど
過剰摂取の問題を抱えている傾向が見られます。
そうなると「何を摂取するか」だけでなく、「どれを減らすか」も意識したうえで、栄養バランスのいい食事環境を目指していく必要がでてきます。
そして、そのためにはどの栄養素が必要で、どの栄養素が過剰摂取に陥りやすいのか、過剰摂取になるとどんな影響が生じるかといった栄養面の知識も必要になるでしょう。
今日は知っているようで知らなかった栄養バランスについて解説していきます。
栄養バランスを整えるうえで絶対に抑えておきたい基礎知識
まず大前提となるのが
炭水化物、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの5大栄養素をしっかり摂取すること。
当たり前のように思えますが、近年では糖質制限ダイエットや脂分を過剰に抑えた食生活など
この5大栄養素さえもうまく摂取できていない例も見られます。
またおかずばかりで主食を食べない人も増えており、栄養バランスが乱れる原因にもなっています。
食生活の基本はこの5大栄養素をしっかり摂取することを意識しつつ
主食、主菜、副菜のバランスを心がけることです。
五大栄養素についてはこちらで解説しております。
栄養の基礎を学ぼう~三大栄養素・五大栄養素とは~
https://eiyou-yakuzai.work/archives/403
主食・主菜・副菜のバランスとは?
主食
主食とはもちろんご飯やパンなどのことです。
おもに体内でエネルギー源となる炭水化物が含まれている食材であり、現代日本人の場合はおもにご飯、パン、麺類が該当します。
先ほど挙げたように、おかずが多く主食が少ない食生活を送っている人が見られる一方で、麺類をおかずにご飯を食べるなど主食だけで食事をしている人なども見られます。
主菜
主菜とは魚や肉類、大豆製品、卵などたんぱく質を含んでいる食材のことです。
ここでよく問題となるのが動物性たんぱく質、つまり肉類に頼りすぎたたんぱく質の摂取です。
肉は重要なエネルギー源であり、ビタミンも摂取できるよい食材ですが、過剰に摂取しすぎると動物性脂肪の摂取量も多くなり、動脈硬化などのリスクを抱えてしまいます。
大豆、魚類、卵など他の食材でもうまくたんぱく質を摂取し、脂質とのバランスも心がけていくことが求められます。
副菜
副菜はビタミン、ミネラルを摂取できる野菜やきのこ、海藻類のことです。
これが不足していることも多く、積極的な摂取が求められます。
とくに一番問題視されているのは野菜摂取量です。
国が健康になる為には野菜を一日どれくらい食べればよいか示してくれていますが、いくら必要かご存じでしょうか?
350g/日です。
しかも、ただ単に野菜を摂ればよいだけではなく、緑黄色野菜と淡色野菜をしっかり組み合わせて食べなければいけません。これは以前に解説しておりますので、こちらをご参照ください。
淡色野菜と緑黄色野菜の違い
https://eiyou-yakuzai.work/archives/447
この主食、主菜、副菜のバランスを意識しつつ、全体の栄養バランスを調節していくわけです。
まず自分が日頃どんな食生活を送っているのかを見直してみましょう。
バランス崩壊注意報その1
麺類やパンなど主食に頼りすぎ
若い学生にありがちだと思います。
私も一人暮らしをしていた時は
『めんどくさいから丼もので晩飯はすまそう。』
とか
『昨日はパスタやったし、今日はうどんにするかー。』
など、品数が一つ、そして炭水化物のみ。
ということが多くありました。
しかしこれでは炭水化物はしっかり摂れてエネルギーにはなりますが
たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの残り4つの栄養素がほとんど摂れていません。
時間がなかったりするとは思いますが、食事をきちんとしなければ日々の生活も充実したものをおくれません。
まずはプラス1品からでもいいので、ほかの栄養素を摂取できる何かをつけてあげるとよいでしょう。
バランス崩壊注意報その2
主菜のおかずばかりでボリュームたっぷりで食べている
次は、メイン料理だけをたべている方です。
例えば、大量のから揚げだけを食べて、白ご飯や野菜、汁物などはほとんど手を付けない。
こんな食生活の方はおられませんか?
この食生活だと、たんぱく質、脂質は摂取できますが、エネルギーとなる炭水化物やビタミン、ミネラルなどがほとんど摂取できていません。
また、近年は魚よりも肉を食べる機会の方が多いため、動物性脂質も過多になってしまいます。
しっかり食べるというのは悪いことではありませんが、主菜だけを食べるのではなく、主食、副菜も組み合わせながら食べましょう。
主菜の味を引き立たせてくれるのも主食、副菜の魅力であります。例えば、濃い味付けの主菜を食べているなかで、口の中を一回リセットする酢の物を食べてみる。そうすると、また主菜を美味しく感じられ一回の食事で二度おいしい!そんなこともできますよ!
ただし注意点として、高齢者でBMI20以下の方の場合は主菜をメインで食べてください。
高齢者の食生活についてはまた後日解説しようと思いますが、食べる量が落ちてしまいしっかりと食事から栄養を摂取できなくなります。そんな時に必要な栄養素が体を作るたんぱく質です。
そのたんぱく質を優先的に摂取していただきたいので、この場合は主菜をメインで食べてもよいと考えます。
バランス崩壊注意報その3
いつも同じようなメニューや食材を食べている
これを聞いて、
『え?主食、主菜、副菜とちゃんと食べてるならメニューは一緒でもいいんじゃないの?』
と思う方もおられるでしょう。
しかし、同じような食材には、同じような栄養素しか含まれていないのです。
栄養素レベルで考えた場合、Aという栄養素は100%補給できていても、Bという栄養素は一切補給されていない。このような事が起こるのです。
これってつまりは栄養バランスの崩壊に繋がりますよね?
なので、同じようなメニューばかり食べるのではなく、いろいろな食材を楽しみながら食べるとよいでしょう。
スーパーとかに行った際、いろいろな食材があるので、気になるものを見つけたらとりあえず食べてみるのもいいかもしれませんね!
まとめ
今日は栄養バランスについて解説いたしました。
該当する人は、自分の食生活に少々問題があることを自覚したうえで見直してみるとよいでしょう。
そのうえで、普段よく食べている食品に含まれている食材・栄養素をチェックしてみましょう。
どの栄養素が不足しているのか、過剰摂取気味なのかを把握することで調節しやすくなります。
例えば
- 炭水化物が過剰でビタミンが不足しているなら主食を減らして副菜を増やす
- 肉類が多すぎなら大豆製品と魚を増やして副菜のバランスをとる
このように、ちょっとした調節を繰り返していくことで全体のバランスを少しずつ整えていくことができるはずです。
年齢を重ねるにつれて、この栄養バランスが健康に大きな影響を及ぼすようになっていきます。
できれば30代のうちから食生活を見直して、体の内面から健康的な環境を手に入れるよう心がけたいところです。
もちろん、40代以上の方も気になる方は今すぐにでもはじめてみましょう。
大切なのは、いきなり完璧にしなくてもよいという事です。
あなたの今日とったその新しい1歩は大きな1歩となり、必ず健康な道へと導いてくれるでしょう。
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コメント
バランスのとれた食事。
本当に難しいテーマですね。
確かに最近動物性たんぱく質が多いなと改めて思いました。
同じようなものが続かないように献立考えるのも一苦労です(笑)
ルナさん。コメントありがとうございます!
返信遅くなってしまい申し訳ございません。
どうしても動物性たんぱく質というのは手軽に食べられたりするので多くなってしまいますよね。
お金的にもお肉の方が安定して安かったりしますし・・・笑
献立を考えるのも大変ですよね。そのお手伝いになるような記事も書ければ今後書いていこうと思います。
[…] https://eiyou-yakuzai.work/archives/609 […]