みなさんはミネラルの種類や働きについて知っていますか?
ビタミンはよく聞くけどミネラルはあまり・・・
って方が多いと思います。
ビタミンとセットで話題になるミネラルも、ビタミンと同じく健康を維持するうえで非常に重要な役割を担っている成分です。
しかし、一方でビタミン以上にわかりにくい面を持っているのも事実です。
体内には微量に含まれている程度なので、どれぐらい摂取すればいいのかよくわからない面があるうえに、日常の食生活のなかで不足しているのか、しっかり摂取できているのか見極めづらい面もあります。
またミネラルにはさまざまな種類がありますが、それぞれの種類ごとの働きや特徴が、ビタミンと比べてわかりにくいのも理解を難しくしています。
今日はそんなミネラルについて解説していこうと思います。
そもそもミネラルってなんなの?
ミネラルとは「無機質」のことです。鉄分や銅、亜鉛なども含まれます。
ミネラルの一覧がこちらです。多量ミネラルと微量ミネラルがあるのでそれぞれ表にまとめてみました。
多量ミネラル一覧 | |||
ナトリウム | 主に体内の水分量の調節 | リン | カルシウムとともに骨作り |
カリウム | 主に体内の水分量の調節 | 塩素 | 細胞外液の浸透圧を維持 |
カルシウム | 骨や歯の材料 | 硫黄 | 体内すべての細胞に広く分布 |
マグネシウム | カルシウムとともに骨作り | ||
微量ミネラル一覧 | |||
鉄 | 酸素の運搬・貯蔵 | マンガン | ミトコンドリアや 骨・肝臓に多く含まれている |
亜鉛 | 味覚に大きく係わる | セレン | 血中に多く含まれている |
銅 | 鉄の輸送 コレステロール・糖の代謝 | クロム | インスリンの作用増強 |
ヨウ素 | 甲状腺ホルモンの構成成分 | モリブデン | 血中に多く含まれている |
コバルト | ビタミンB12の構成成分 | ||
これらが健康に欠かせないと言われるとちょっと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが
ミネラルが不足した際の怖い点について解説していきます。
ミネラルが不足すると何が起きる?
一番わかりやすいのは貧血ですね。
貧血が起きると何を摂取すればいいかは有名ですよね?
そう、鉄分です。
ミネラルはビタミンと同じように体の働きをサポートする役割を担っているうえに、体を構成する成分としても役立っている点が大きな特徴です。
この他にもよく知られているのが、骨の原材料としておなじみのカルシウムでしょう。
不足すると健康な体を維持するのが難しくなってしまうわけです。
ミネラルの過剰症・欠乏症については下記表にまとめました。
多量ミネラル | |||
欠乏症 | 過剰症 | ||
カルシウム | 骨粗鬆症・くる病 骨軟化症・テタニー | 高カルシウム血症 腎臓結石 | |
リン | くる病・骨軟化症 溶結性貧血 | 低カルシウム血症 | |
カリウム | 低カリウム血症 | 高カリウム血症 | |
硫黄 | とくになし | 不明 | |
ナトリウム | 倦怠感・食欲不振 | 浮腫 高血圧症や胃がんを 悪化させると言われてる | |
塩素 | 食欲減退 | 不明 | |
マグネシウム | テタニー・心疾患 神経過敏症 低カリウム血症 低カルシウム血症 | 嘔吐・下痢・倦怠感 筋力低下・言語障害 ※腎機能に問題なければ 過剰症の恐れはない |
微量ミネラル | |||
欠乏症 | 過剰症 | ||
鉄 | 鉄欠乏性貧血 | ヘモクロマトーシス(鉄代謝異常) 鉄沈着症・胃腸障害 | |
亜鉛 | 味覚障害・成長障害 皮膚炎・免疫機能低下 | 銅吸収阻害・悪心・嘔吐 下痢・免疫機能低下 | |
銅 | メンケス病・貧血 骨の発育不全 | ウィルソン病・腎不全 溶結性貧血 | |
ヨウ素 | 甲状腺腫・クレチン症 | 甲状腺腫・甲状腺機能亢進症 | |
マンガン | 成長障害 糖・脂質代謝異常 | 疲労感 歩行障害 | |
セレン | 克山病・成長障害 筋肉委縮 | 呼吸困難・心筋梗塞 疲労感 | |
クロム | インスリン不応性の 耐糖能低下 | 呼吸障害 | |
モリブデン | 不明 | 銅吸収障害・硫黄代謝異常 | |
コバルト | 悪性貧血 | 甲状腺肥大・悪心・嘔吐・食欲不振 |
ミネラルとビタミンは相思相愛?
ミネラルとビタミンの関係性は非常に大切なものです。
なぜなら、ある一定のミネラルとビタミンを一緒に摂取すると吸収効率がアップするからです。
骨を丈夫にしたかったら原材料のカルシウムと、骨の生成を促すビタミンDの両方が必要です。
また、鉄分や亜鉛はビタミンCと併せて摂取すると、体内へ吸収される効率がアップすると言われています。
こうしたビタミンとのカップリングを意識しながら、日々の生活の中でうまく摂取していく必要があるわけです。
市場ではミネラルを手軽に摂取できるサプリメントが多数売られていますが、それだけで摂取量を満たすのではなく、やはり他の成分とのバランスも意識しながら食生活を充実させていくことが欠かせないのでしょう。
ビタミンについては以前解説しております。よければこちらもご覧ください。
ビタミンの働きについて~脂溶性ビタミン編~
https://eiyou-yakuzai.work/archives/424
ビタミンの働きについて~水溶性ビタミン編~
https://eiyou-yakuzai.work/archives/449
ミネラルの働き
ミネラルの働きについては、ミネラルの一覧で軽く触れておりますが
その中でも特に重要なミネラル、知っておいてほしいミネラルをピックアップしました。
まず現在注目されている亜鉛をチェックしておきましょう。
亜鉛の働きとは
「セックスミネラル」と呼ばれることもあり、生殖機能の維持・向上に重要な役割を担っていますが、ほかにも男女問わずホルモンバランスを整える働きが近年注目されています。
男性の生殖機能の向上だけでなく、女性の更年期障害対策にも活用される機会が増えているのです。ほかにも味覚を維持する働きもあり、不足すると味覚障害が起こる可能性もあります。
なお、同じく生殖機能に働きかけるミネラルにセレンがあります。この方面に悩みを抱えている方は、とくにこの2つのミネラルの摂取を心がけてみましょう。
それから、もっとも有名なミネラルとも言えるカルシウム。
カルシウムの働きとは
先ほども触れたように骨を丈夫にする働きが筆頭に挙げられます。骨の成長期にしっかり摂取するよう心がけるのはもちろん、更年期以降の女性に急増する骨粗鬆症対策でも重要な意味を持ってきます。
カルシウムと並んで有名なのがナトリウム。
ナトリウムの働きとは
生活習慣病や血圧・血糖値の悩みを抱えている人にとっては、重要かつ注意が必要なミネラルです。
細胞内における水分と塩分のバランスを維持する働きをもっている他、筋肉や神経の働きにも影響を及ぼしていると考えられています。
そしてこのミネラルの大きな特徴は
他のミネラルとは違って不足ではなく過剰摂取が大きな問題になりやすい点です。
簡単に言えば塩分のとりすぎです。
高血圧の原因になることはよく知られていますが、ほかにも胃ガンの発生率の増加、脳卒中、腎臓病のリスク向上といった怖い面も持ち合わせています。
ナトリウムとセットで覚えおきたいのがカリウムです。
カリウムの働きとは
ナトリウムとバランスを取る形で生殖機能や消化器、心臓などの体の機能を維持している面があり
ナトリウムの過剰摂取によってバランスが乱れると心臓病などのリスクが高まります。
この両者の比率は1:1が理想的と言われており、多くの現代人はナトリウムに比重が偏っていると言われています。
ほかにも、先述した貧血予防に欠かせない鉄分、細胞・神経・筋肉の働きの維持に役立つマグネシウムなども覚えておきたいミネラルです。
まとめ
今回はミネラルについて解説いたしました。
体に必要なミネラル量というのは、ほんの少しです。
しかし、その少しが無くなれば病気になりますし、多くなればそれもまた病気に繋がります。
また、ミネラルというのは体で作ることができないので食事から摂取する必要があります。
微量だからこそ過剰摂取に気をつけつつ、しっかりと摂取していけるような食生活を心がけたいものです。
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コメント
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多量ミネラルの中には知っている名前がたくさんありますが、微量ミネラルには聞いたこともないものもありました。
今はサプリに頼っていますが、食事で摂れるならその方が健康的でいいですよね。
ルナさん。コメントありがとうございます。
ミネラルというのは有名になってきていますが、まだまだ知られていないのも多いですよね!
食事から摂れるのであればその方がいいですが、すべてを摂ろうと思うとかなり大変にはなると思います。
ベースは食事から、サプリメントはあくまで補助として上手に使う。というのがよいかと思います。
意識し過ぎずに楽しく食事をするというのを第一にいろいろな食材を食べてみてください!
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