ビタミンの働きについて~脂溶性ビタミン編~

栄養

健康に欠かせないビタミン、身近な存在としておなじみですが

一方でいろいろな種類があるのでわかりづらい面もあります。

「健康のためにはビタミンB群が必須」

「ビタミンCは美容に良い」と言われても

「そもそもビタミンB群やCって何?どんな働きをしているの?」

と疑問に持つ方も多いのではないでしょうか。

今日はそんなビタミンについて解説していきます。

以前に三大栄養素。五大栄養素について解説したのでこちらもよければ読んでみてください。

栄養の基礎を学ぼう~三大栄養素・五大栄養素とは~

https://eiyou-yakuzai.work/archives/403

そもそもビタミンとは?

ビタミンは体内において体の様々な働きをサポートする役割を担っている非常に重要な成分です。

例えば、筋肉のおもな材料がタンパク質であることはよく知られていますが

食事で摂取したタンパク質が体内で実際に筋肉になるためにはビタミンB群の働きが欠かせません。

つまり、タンパク質をいくら摂取しても

ビタミンB群が不足していては筋肉をつけることはもちろん

健康を維持することも難しくなるわけです。

だからこそ食生活や栄養摂取にはバランスが必要とされるわけです。

そんなビタミンの発見者って誰だと思いますか?

こういうのってほとんど海外の方が多いですよね?

ですが意外にも発見者は日本人、鈴木梅太郎博士という人物です。

その後研究が行われていく過程でビタミンにはさまざまな種類が存在することが明らかになっていき、しかもそれぞれの種類にはさまざまな働きが備わっていることが知られるようになっていきました。

現在でもその研究は進んでおり、その象徴とも言えるのが近年の美容の分野におけるビタミンCへの関心の高さでしょう。

ビタミンの種類

そんなビタミンの働きを知る上でまず知っておきたいのが、大きく分けて水溶性と脂溶性の2種類に分けることができる点です。

名前の通り前者は水に溶けやすく、後者は油に溶けやすい点に特徴があります。

これは食事による摂取方法に大きな影響を及ぼしており

例えば水溶性ビタミンが含まれている食材の場合、あまり長く水につけていると溶け出してしまい失われてしまう恐れがあります。

一方脂溶性の場合は煮込んで作る料理に使うと油に溶けてしまい食材から失われてしまうことがあります。

ビタミンを摂取していくうえではこうした水溶性・油溶性それぞれの特徴を踏まえておくことも必要になるでしょう。

両ビタミンを解説していくと非常に長くなっていくので

今回は脂溶性ビタミンについて解説していきます。

ビタミンの働き

具体的な働きについては、各ビタミンの種類ごとに知っておくことが大事です。

ここからは主要なビタミンそれぞれの解説をしていきます。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンには、A・D・E・Kの4種類があります。

ビタミンA

主な働き

  1. 皮膚や粘膜の健康を守る
  2. 視覚機能の健康を維持
  3. 活性酸素の除去

効率の良い食べ方

植物性由来

野菜に含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変わります。しかし、そのままでは吸収効率がとても悪いです。効率よく吸収するには、油と一緒に摂取することです。人参や、カボチャを食べる際は一度油で炒めてから、油と一緒に食べると効率よいでしょう。

動物性由来

動物性であるレチノールは、そのままでも体内で効率よく吸収できるので、調理方法で気を付ける心配はありません。

過剰症と欠乏症

過剰症

脂溶性ビタミンになりますので、摂取しすぎると過剰症を引き起こす恐れがあります。しかし、通常の食事から過剰症を起こす恐れはほぼありません。サプリメントを服用している方は注意が必要です。一日の摂取基準としては以下の表のとおりです。

 男性女性
 推奨量(㎍RAE/日)推奨量(㎍RAE/日)
0~5か月300300
6~11か月400400
1~2歳400350
3~5歳450500
6~7歳400400
8~9歳500500
10~11歳600600
12~14歳800700
15~17歳900650
18~29歳850650
30~49歳900700
50~64歳900700
65~74歳850700
75歳以上800650
(日本人食事摂取基準2020年版より)

今回の単位ではレチノール活性等量というものを用いています。ここまで気にして計算しなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方もおられると思いますので、計算式の方も記載しておきます。

レチノール活性当量(㎍RAE)=レチノール(㎍)+β-カロテン(㎍)×1/12+α-カロテン(㎍)×1/24+β-クリプトキサンチン(㎍)×1/24+その他のプロビタミンAカロテノイド(㎍)×1/24

ちょっとややこしいですよね(笑)

100g当たりの㎍RAEは調べればすぐに出てくると思いますので、心配な方はそちらを参考に日々の摂取量をチェックされるのをおススメいたします。

欠乏症

大人:暗い場所で視力が悪くなってしまう夜盲症になる危険性があがります

乳幼児:角膜乾燥症や、皮膚や粘膜が乾燥し細菌に感染しやすくなることもあります。

ビタミンD

主な働き

  1. カルシウムの吸収、沈着の手助け。カルシウムを摂取する際には絶対に必要な栄養素の一つ。

効率の良い食べ方

脂溶性ビタミンなので、βカロテンと同様に油脂と一緒に摂取することで吸収率が高まります。また、ビタミンDは紫外線により体内で生成されます。あまり日光を浴びない方、年中強い日焼け止めを塗っている方は少し日光浴をすることをおススメいたします。

過剰症と欠乏症

過剰症

カルシウムの吸収率が高くなりすぎ、高カルシウム血症を引き起こす恐れがあります。こちらもビタミンAと同様、通常の食事からでは過剰症を起こす事はほぼないと言えますが、極端にビタミンDを多く含む食事を毎日のように食べていたり、サプリメントなどから摂取していたりする方は少し注意が必要です。こちらも一日の摂取基準を記載しておきます。

 男性女性
 目安量(㎍/日)目安量(㎍/日)
0~5か月5.05.0
6~11か月5.05.0
1~2歳3.03.0
3~5歳43.5
6~7歳4.54.5
8~9歳5.05.0
10~11歳6.56.5
12~14歳8.08.0
15~17歳9.09.0
18~29歳8.58.5
30~49歳8.58.5
50~64歳8.58.5
65~74歳8.58.5
75歳以上8.58.5
(日本食事摂取基準2020年より)

欠乏症

大人:骨に関する重要な栄養素なのでビタミンDが不足すると、骨軟化症、骨粗鬆症といった骨に関する病気になりやすくなります。

乳幼児:くる病や、成長障害を引き起こす恐れがあります。

ビタミンE

主な働き

  1. 体内の酸化を防いでくれる
  2. 血管拡張作用
  3. 生殖機能を維持

効率のよい食べ方

ビタミンEは植物油や種実類に多く含まれています。なので基本的にはそのまま摂取することが一番でしょう。ただし、とても酸化しやすい特徴をもっているため、空気や日光になるべく触れさせないなどの保管方法の工夫が必要となります。

過剰症と欠乏症

過剰症

食事からでは過剰症を起こす心配はほぼありませんが、食物からの摂取になると油脂を含むものが多いので摂りすぎには注意しましょう。

 男性女性
 目安量(㎎/日)目安量(㎎/日)
0~5か月3.03.0
6~11か月4.04.0
1~2歳3.03.0
3~5歳4.04.0
6~7歳5.05.0
8~9歳5.05.0
10~11歳5.55.5
12~14歳6.56.0
15~17歳7.05.5
18~29歳6.05.0
30~49歳6.05.5
50~64歳7.06.0
65~74歳7.06.5
75歳以上6.56.5
(日本食事摂取基準2020年より)

欠乏症

すぐに病気になるわけではありませんが、正常な赤血球が作られなくなり溶結性貧血を起こすと言われています。

ビタミンK

主な働き

  1. 健康な骨作りのサポート
  2. 止血をする為の物質の生成に使われる

効率の良い食べ方

脂溶性なので、油脂と一緒に摂取すると効率がよくなります。また、加熱しても壊れない為、炒め物、揚げ物などにするとよいでしょう。注意する点としては、ビタミンKは血液凝固作用があるので、ワーファリンを服用していたりする場合は控えましょう。

過剰症と欠乏症

過剰症

とくに報告がないので心配ないと思われます、

欠乏症

欠乏しても病気になる心配はありませんが、血が止まりにくくなったり、カルシウムの吸収が悪くなったりします。

まとめ

今回は脂溶性ビタミンについてまとめてみました。

脂溶性という言葉の通り、油脂に溶けやすいビタミンです。炒めたりして油脂と一緒に摂取することを心がけましょう。

欠乏症の心配はそれほどありませんが、問題なのは過剰症です。

理由としては、体外に排出されにくいビタミンである為摂りすぎてしまうと、その分体に蓄積されてしまいます。

しかし、あくまでもサプリメントなどで摂りすぎている人が注意すべき点であり、普通の食生活から過剰症になる心配はないので安心して楽しく食事をしましょう。

次回は続きの水溶性ビタミンについて解説していきます。

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