血液は酸素を全身に届けるという重要な役割を担っています。
この役割がうまく機能しなくなった状態のことを貧血といいます。
貧血状態になると体が冷えやすくなるほか、むくみなどの問題、さらに立ちくらみや疲労の蓄積といった問題が起こります。
さらには、貧血が原因で病気を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
今回は多くの方が悩んでいる「貧血」について解説していきます。
以前にミネラルについて解説してありますのでよければこちらもご参照ください。
ミネラルとは?意外と知られていないその働き
https://eiyou-yakuzai.work/archives/516
貧血はなぜ起こるのか?
ではどうして貧血になるのか?
おもな原因は、血液中に含まれている赤血球やヘモグロビンの量が減ってしまい
酸素を届ける働きが機能しなくなることです。
そして多くの貧血はヘモグロビンの原材料となる鉄分の不足が原因で発症します。
これは『鉄欠乏性貧血』と呼ばれており、若い女性のじつに4人に1人が一度は経験したことがあるとも言われています。
その他にも、『悪性貧血』『溶結性貧血』などがあります。
貧血対策の基礎知識
貧血対策においてはまず日々の食生活における貧血の不足を疑ってみたうえで、鉄分の摂取を心がけることが第一です。
タンパク質やビタミンB群、ビタミンCといったよく知られた健康によい栄養素に比べて、鉄分は日頃の食生活で摂取していることを自覚するのが難しいものです。
それだけにできるだけ意識しながら食事で摂取していくことが求められるでしょう。
鉄ってどれだけ摂取すればいいの?
一日の鉄分摂取量の目安は成人男性で約1mg、成人女性で0.8mg程度と言われています。
それに対して平均の摂取量はこれよりも少なく男性で0.8mg,女性で0.73mg程度とされています。
このデータからは多くの人が鉄分の不足による貧血のリスクを抱えていることがうかがえます。
※女性はとくに注意が必要です
もうひとつ注意したいのが、女性の月経時の鉄分の損失です。
この時期は経血などによって一日に0.5mgほどの鉄分が失われると言われています。
ですから、この期間だけは必要摂取量が男性よりも女性の方が多くなるのです。
それだけ女性はより多くの鉄分摂取が求められるでしょう。
貧血の具体的な対策方法
食事で鉄分を摂取することによる貧血対策を行う場合には
まず基本的な知識として鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があることを知っておきましょう。
この両者には体内での吸収率に大きな差があり、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも効率よく体内に吸収されます。
じつは鉄分は体内への吸収率はあまり高くなく、ヘム鉄で30パーセント程度、非ヘム鉄では5パーセント程度しか吸収されないと言われています。
ですから、できるだけヘム鉄を優先して摂取できるような食生活を心かけることが大事になってきます。
ヘム鉄とは?
ヘム鉄が多く含まれている食材では、肉類と魚類が代表格として挙げられます。
生の豚レバーなら50gほどで6.5mg程度の鉄分を摂取することができます。
同じ量だと鶏のレバーで約4.5mg、牛のレバーでは2.0mgで、鉄分摂取の観点からすると豚がとても優れているわけです。
もちろん、肉類ばかりでは栄養バランスが崩れてしまいますから、魚類もうまく摂取しましょう。
とくにかつおがおすすめです。
非ヘム鉄とは?
吸収効率があまりよくない非ヘム鉄ですが、
ヘルシーで摂取しやすい食材に含まれているメリットがあります。
例えば大豆、豆乳、納豆といった豆製品、小松菜、ほうれん草、ひじきなど。これらもうまく組み合わせて鉄分摂取を心がけてみるとよいでしょう。
鉄分をより効率よく摂取するには
そして、鉄分摂取においてもうひとつ重要になるのがビタミンCの存在です。
併せて摂取することで鉄分の吸収を促してくれるからです。
柑橘類や緑黄色野菜とレバー、魚と組み合わせて食べると相乗効果が期待できるでしょう。
鉄分以外では赤血球の原材料となる葉酸、ビタミンB12のビタミンB群も欠かせません。
これらもレバーに豊富に含まれているので、貧血対策ではレバーをうまく摂取していけるかがポイントになりそうです。
そのほかには葉酸ではブロッコリーやアスパラガス、ビタミンB12では魚介類、チーズなどで摂取できます。
ビタミンの重要性については以前詳しく解説しております。まだ読まれていない方は是非読んでみてください。
ビタミンの働きについて~脂溶性ビタミン編~
https://eiyou-yakuzai.work/archives/424
ビタミンの働きについて~水溶性ビタミン編~
https://eiyou-yakuzai.work/archives/449
まとめ
貧血でお困りの方はサプリメントで対策するのもいいですが
日々の食事を意識するだけでかなり改善すると思います。
大切な事は以下の点です。
- ヘム鉄と非ヘム鉄を意識して摂取する
- ビタミンCは鉄の吸収率を上げる為、一緒に摂取すること
- 赤血球の材料となる葉酸やビタミンB12も重要
貧血の悩みを抱えている方は、こうした食事からのアプローチで体の内面から対策を目指してみてはいかがでしょうか。
質問などがございましたらコメントお待ちしております。
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