ビタミンの働きについて~水溶性ビタミン編~

栄養

前回のビタミンの働き~脂溶性ビタミン編~の続きとなっております。

まだ読んでいない方は是非こちらも読んでみてください。

ビタミンの働きについて~脂溶性ビタミン編~

https://eiyou-yakuzai.work/archives/424

では、さっそく本題に入りたいと思います。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンとは、水に溶ける性質をもっており過剰摂取してしまった分は体外に排出されます。

それにより、過剰症の心配はほぼありませんが、体内に蓄積することができないので毎日摂取していく必要があります。その点が脂溶性ビタミンと大きく異なる点と言えるでしょう。

それではそんな水溶性ビタミン8種類について解説していきます。

ビタミンB1

主な働き

  1. 糖質の代謝をサポートする

効率の良い食べ方

アリシンと一緒に摂取する事

アリシンというのは香気成分であり、ねぎ類やにらなどに含まれています。アリシンとビタミンB1が結合することにより、ビタミンB1が血液中に長く留まるようになります。その結果、排出が抑制されビタミンB1を長時間利用できるようになるのです。

お米は洗いすぎない事

日本人はお米を良く食べます。そのお米からもビタミンB1というのは摂取できます。ただ、白米まで精製される過程で栄養素は落ちてしまっているので、精白米より玄米や胚芽精米を食べた方がより効率よくビタミンB1を摂取できるでしょう。そして、ビタミンB1は水溶性で水に溶けます。つまり、お米を綺麗に洗うとその分栄養素も流れ落ちてしまうのです。お米の洗い過ぎは要注意です。少し白く濁っている程度で十分に洗えているので、透明までしている人は注意しましょう。

欠乏症

糖質からのエネルギーがうまく作られずに、疲労感やストレスなどがあげられます。また、慢性的に不足してしまうと、ウェルニッケ脳症という病気になります。この病気は神経系の病気であり、眼球運動障害や運動失調、意識混濁などを引き起こす恐れがあります。

ビタミンB2

主な働き

  1. 三大栄養素の代謝をサポート
  2. 過酸化脂質の分解をサポート
  3. 発育を促進

効率の良い食べ方

基本的にどんな調理方法でも問題ありません。というのも、このビタミンB2という栄養素は水溶性ですが比較的水に溶けにくい性質を持っており、さらに熱にも強いといった性質も併せ持っています。そして、肉類、魚介類、乳製品、卵類、きのこ類など数多くの食材に含まれていますので、バランスの良い食事をしていれば不足する心配はないでしょう。

欠乏症

発育を促進するビタミンですので、不足すると肌荒れや口内炎、口角炎、髪の毛のトラブルといった症状が現れます。よく口内炎でビタミンを摂取しなさいと言われるのは、これが一つの要因です。また、成長期の子供で慢性的に不足してしまうと、エネルギー代謝がうまくできなくなり、成長障害を引き起こす恐れがあるので注意しましょう。

ビタミンB6

主な働き

  1. たんぱく質の代謝をサポート
  2. 脳の神経機能を維持する為のサポート

効率の良い食べ方

ビタミンB6は熱や光に弱く、水溶性であるので、加工されたものより生の食品からの摂取が効率よいです。また、たんぱく質の代謝をサポートするのでたんぱく質の食品と一緒に摂取するとよいでしょう。一例をあげますと、バナナに多くのビタミンB6が含まれているので、バナナとプロテインを一緒に摂取するのをおススメいたします。ま

またプロテインの良さについてはこちらで解説しておりますので、良ければ読んでみてください。

プロテインダイエットの薦め!その理由とは

https://eiyou-yakuzai.work/archives/265

欠乏症

神経機能の維持のサポートをしているので、不足することにより神経障害の恐れがあります。また、月経前症候群や、つわりの原因となりビタミンB6の摂取により症状を和らげるという効果があるともされています。

ビタミンB12

主な働き

  1. 赤血球の成熟をサポート
  2. DNA合成をサポート
  3. 末梢神経の機能維持

効率の良い食べ方

加熱に強い栄養素となっています。ただし、水溶性であるので水に溶けだしてしまします。なので、一番のおススメの食べ方としては、スープにして汁ごと一緒に食べる。という方法です。シジミや牡蠣に多く含まれるとされているので、シジミのお味噌汁や、牡蠣も汁ごと食べる等すると効率よく摂取できるでしょう。

欠乏症

赤血球を作る為のサポートをしている為、不足すると赤血球がうまく作られなくなる為、貧血の原因となるでしょう。

注意していただきたい点として、ビタミンB12は基本的には動物性食品に多く含まれています。菜食主義者の方ではビタミンB12不足になりやすいので、該当している方はサプリメントを利用するなどしてビタミンB12の摂取をするとよいでしょう。

ナイアシン

主な働き

  1. 糖質や脂質の代謝のサポート
  2. アルコール分解のサポート

効率の良い食べ方

熱や光、酸などに強く、比較的水にも溶けだしにくい性質をもっているため、気を付けて調理する必要性はあまりありません。また、ナイアシンという栄養素は体内でも生成することができるものです。だからと言って摂取しなくていいというわけではありませんが、あまり気にしなくてもよいでしょう。

欠乏症

前述している通り、体内から生成されるので欠乏症になる心配はほとんどありません。しかし、お酒をかなり飲まれる方は注意が必要です。アルコール分解をするのにビタミンB12が使われてしまい、摂取、生成が追い付かなくなる場合があります。そうすると、ペラグラという病気になってしまう場合がありますので、お酒を飲む際にはビタミンB12を多く含んでいる食品(マグロの赤身や豚レバー、エリンギ等)を一緒に食べるようにすればよいでしょう。またお酒を飲み過ぎないようにもしてくださいね笑

ビタミンC

主な働き

  1. コラーゲンの合成をサポート
  2. メラニン色素の生成抑制
  3. 抗酸化作用

効率の良い食べ方

ビタミンCはとても繊細な栄養素です。加熱すると壊れやすく、光や空気で酸化します。また水にも溶けやすいので、冷水につけているだけでもどんどん栄養素は抜けて行ってしまします。ただ、いも類に含まれるビタミンCは別です。いもに含まれるでんぷんがビタミンCの周りをガードしてくれ、加熱に強いビタミンCとなっています。ですので、比較的手軽に摂取できるのがいも類ということになります。その他にも、キウイフルーツやいちごなどのフルーツにも多く含まれているので、水洗いの最小限抑えることでこちらでも手軽に摂取できます。

欠乏症

コラーゲン生成のサポートをしているので、不足してしまうと血管や筋肉、皮膚、骨などの結合組織が弱くなってしまいます。

葉酸

主な働き

  1. 新しい細胞の合成をサポート
  2. 赤血球の元になる赤芽球をつくる
  3. 動脈硬化の予防

効率の良い食べ方

水に溶けだしやすく、熱・光・酸に弱い栄養素ですので、新鮮なうちに早く食べるようにしましょう。

欠乏症

赤芽球を作る栄養素なので、不足してしまうと赤血球が正常に作られなくなり貧血になる恐れがあります。また、妊娠初期では胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなりますので、妊婦の方はとくに注意してこの栄養素を摂取するようにしてください。

パントテン酸

主な働き

  1. コエンザイムAの構成成分
  2. エネルギー代謝のサポート
  3. ホルモン合成に関与

効率の良い食べ方

数多くの種類の食品に含まれている為、バランスの良い食事をしていれば基本的には摂取できますが、水に溶けだしやすい性質がある為、ゆでるという調理法には注意が必要です。調理するなら、蒸す、や煮てスープごと食べてしまうといった方法がよいでしょう。

欠乏症

基本的には不足する心配はありません。しかし、不足した場合は神経障害、副腎障害などが起こる恐れがあります。

ビオチン

主な働き

  1. 三大栄養素の代謝をサポート
  2. 皮膚の炎症を抑制

効率の良い食べ方

ほかのビタミンと違い、ビオチンは食品中ではリジンというたんぱく質と結合しております。ですので、水溶性ビタミンですが、ゆでたり、煮たりしても栄養素は流れ出にくくなっています。また、加熱にも強いのでそれにより壊れてしまうことを気にしなくてもよいです。唯一注意してほしい点は、大量の生卵の卵白と一緒に摂取する場合です。卵白に含まれるアビジンという成分がビオチンと結合してしまい吸収されなくなってしまいます。ですが通常の食事では心配する必要はありません。

欠乏症

体内で合成される為、基本的に欠乏症の心配はありませんが、乳幼児では合成する働きがまだ弱い為ビオチン不足により皮膚炎を起こしてしまう場合があります。

まとめ

ビタミンについて、二回に分けて解説してきました。

最後に簡単にまとめさせていただきます。

脂溶性ビタミン:ビタミンA、D、E、K

水に溶けにくい性質を持っている為、体内に蓄積される。

通常の食事では問題ないが、サプリメントを利用している人では過剰症に注意が必要。

水溶性ビタミン:ビタミンB1,2,6,12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC

水に溶けやすく、熱にも弱いものが多いので調理法に注意が必要。おススメの調理法としては、蒸し物や汁ごと食べることができるもの(スープ等)

水に溶けやすいため体内にはほとんど蓄積されずに排出されてしまう。その為、毎日摂取する必要がある。過剰分は排出されるので過剰症の心配はないが、蓄積できないので欠乏症を引き起こす場合がある。

ビタミンというのは、体を作るうえでのサポートをしてくれている要素が非常に大きい栄養素です。

なので不足してしまうと、お肌の艶が失ってしまったり、髪の毛や爪が荒れてしまったりと体の多くの部分で不調が出てきてしまいます。

過剰にとる必要性はありませんが、生野菜、フルーツなどのビタミン源を毎日摂れていない方は、摂るようにしたり、サプリメントを利用したりとビタミンを意識した食生活をすると、いろいろな悩みが解決するかもしれません。

心当たりのある方はこれを期に食生活をかえてみるのもいいかもしれませんね。

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